妄想性パーソナリティ障害


妄想性パーソナリティ障害 Paranoid personality disorder

●特徴
・いろいろなあること無いことを想像して、思いついて、考えてイメージをふくらませて、その考えに取りつかれてしまうために、人が信じられない、信じたいのに信じられない。
・疑うことが頭から離れないが、実は本人も苦しい。相手からすれば、何の根拠もなく疑われてしまうのでやっていられない気分になる。双方が辛くなる。
・信じられないので、自分の力によって人を押さえつけて、納得のできる形を作ろうとする。強引さのために人が離れていくこともある。
・相手が好きなのに信じられないので、確認するために人の様子を探ろうとする。ストーカー化しやすい。特に性的なことに関して、ありもしないことを疑う。自分の彼女に向けて、隠れて男性を作って浮気している、などと疑い、それを確かめるために尾行したりすることもある。
・人からほめられても素直に喜べず、何か裏があると勘ぐったり、わざと持ち上げて馬鹿にされたと思ったり、嫌がらせと感じたりするため、逆に相手を恨んだり攻撃したりする。
・信じられないので、孤独で傷つきやすい。いつも警戒していて、柔軟性がない、融通が利かない。
・深い関係になると、相手は自分のための存在するかのように考えるので、子供じみていたりする。気に障ることを言われると、急に怒り出す。気になり始めると、憂うつになる。そのため、周囲からは、気分屋でそううつ的にみえる。
・仲がよくなりすぎると、もっと他の人と本当は仲良くしているのではないか、とか、ぼくの話をよそで話して皆で笑っているのではないか、などと疑われる。この不信感が元になり、無理な要求を出して試されて、ほらやっぱりできない、となって、攻撃対象に変わってしまう。
・仲良しなのだから、常にどこで何をしているのかメールしてきて、などの要求が来る。他の人と会っていたなど、送らなかった部分に疑いを持ち、ぼくのことを大事に思っていないと言ってきて、その後は恨まれて攻撃されてストーカーされる、というのが最悪のパターン。

●原因
素直に人を信じていた時期があり、そういう素直さを何度も繰り返して、特定の人や大勢に裏切られてきた経験から、人の言動には必ず特別な意図があると考えるようになったものと考えられる。人を信じて傷ついた自分を守るために、人は信じないし、自分の考え通りであることで安心が得られる。

●簡単な基準
・根拠なく疑う。だまされる、害を与えられる、利用される、などと疑う。
・誠実や信頼を見せられても、信じられない。疑ってそれを気にし続ける。
・自分の秘密を打ち明けない。自分に不利になるように利用されると考える。
・けなされている、脅されている、と深読みする。
・恨み続ける。馬鹿にされた、傷つけられたことをずっと忘れない。
・そういう意図はなくても攻撃されていると感じ、怒り出して逆襲に出る。
・パートナーの貞節を、根拠なく、何度も疑う。

●周囲の人の対応
・常に中立性を保って、説明のしにくいような立場、えこひいき的な立場をとらない。
・親密になりすぎない。攻撃対象に変化しないため。
・長くつきあっていくためには、これらの態度が重要。「常に」がとても難しい。
・もし、おかしな方向になりかけたときは、ちゃんと謝る。堂々ときちんと謝る。こびてはいけない。

●治すには
・次にようなことを少しづつ理解していき、他人を支配することは、実は自分が苦しいと言うことをわかっていって、色々な人がいることを受け入れていくことが大切。
・人が信じられないために、強引に力で支配しようとするが、実はそれでは人は離れていく。
・力で支配しても人は自分のものになるわけではない。反発するだけ。
・相手を信じて尊重すると、人は近寄ってくる。
・人を信じないと、孤独であり、そこからは何も生まれない。
・信じること、負けてみること、相手にゆだねることは、本当の意味での負けではないし、実は安心はそこにある。


●DSM-IV-TR妄想性パーソナリティ障害
A. 他人の動機を悪意のあるものと解釈するといった、広範な不信と疑い深さが成人早期までに始まり、種々の状況で明らかになる。以下の4つ(またはそれ以上)によって示される[2]。
十分な根拠もないのに、他人が自分を利用する、危害を加える、またはだますという疑いを持つ。
友人または仲間の誠実さや信頼を不当に疑い、それに心を奪われている。
情報が自分に不利に用いられるという根拠のない恐れのために、他人に秘密を打ち明けたがらない。
悪意のない言葉や出来事の中に、自分をけなす、または脅す意味が隠されていると読む。
恨みをいだき続ける。つまり、侮辱されたこと、傷つけられたこと、または軽蔑されたことを許さない。
自分の性格または評判に対して他人にはわからないような攻撃を感じ取り、すぐに怒って反応する。または逆襲する。
配偶者または性的伴侶の貞節に対して、繰り返し道理に合わない疑念を持つ。
B. 統合失調症、「気分障害、精神病性の特徴を伴うもの」、または他の精神病性障害の経過中にのみ起こるものでなく、一般身体疾患の直接的な生理学的作用によるものでもない。



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